Dデビュー奮闘記2015年3月27日
「ゆくゆくはこの番組のディレクターを任せられるようにしたいから、そのつもりでね」と、
社内の上司から告げられたのは、去年の4月。
そのときは、こんなに早くディレクターデビューをするときがくるとは思ってもいませんでした。
今回のスタッフ通信では、そんな私の「ディレクターデビュー奮闘記」を
みなさんに読んでいただけたらと思います。
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今年の2月、私が人生で初めてディレクターを務めた番組が放送されました。
NHK・Eテレで毎週木曜日に放送されている「オトナへのトビラTV」。
これは、10代が抱えるさまざまな悩みや問題を繙き、お役立ち情報を交えつつ、
解決策を一緒に考えていく教育番組です。
(4月から新番組「オトナヘノベル」へと変わります!)
番組の内容を提案したのは、去年の12月。この番組では、毎回どのようなテーマにするのか、
番組プロデューサーへ提案し、打ち合わせを数回行なったうえで決定します。
今回のテーマは、ずばり「ニオイ」。
テレビでニオイを取り上げるということに正直不安はありましたが、
10代のニオイの悩みは深いということが取材から分かり、ぜひ紹介したいと思いました。
OAまでのさまざまな作業の中で、私がもっとも苦戦したのは、構成を書くということ。
今まで、ディレクターが書いた構成を見て、撮影の流れを考えたり、必要な小道具を考えたり、
取材先と連絡を取ったりすることはADの仕事として行なってきました。
しかし、自分で取材したことを30分の番組になるよう、一から構成を組み立てることは初めて。
取材して分かった情報を、あれも、これも、と次々に加えていくと、
視聴者がついていけない情報過多の構成になっていました。
自分一人で行き詰ったときは、先輩ディレクターへご相談。
私は初めてということもあり、ベテランディレクターのS.E.さんに
マンツーマンで指導してもらいながら、今放送回を制作しました。
ラフトに入社してから常々思っているのは、会社の先輩にいろいろと相談しやすいということ。
同じ番組を制作している他の制作会社の方からも、
「千代田ラフトの先輩は、面倒見が良いよね」とよく言われます。(ほ、本当ですよ)
(時にはヘタこいて、S.E.さんにつまみあげらることも…あるとか)
少し本題から離れてしまいましたが、構成を何度も書き直すときに、
この中で番組の視聴者層である「10代が知りたい情報」は何か、
こちらが「10代に伝えたい」ことは何かということを意識しました。
ロケの前日まで台本の細かい部分を修正し、ロケが始まってからは、ノンストップです。
この番組では、ロケ→編集→スタジオ収録→編集→MA(音の調整やナレーション収録など)
→ECS(映像の効果づけやテロップ入れなど)という流れになっており、
ロケが始まってからは、およそ3週間のさまざまな作業を経て完成となります。
(再現ドラマ撮影の様子)
OAが終わってから、「あそこはもっとこうしておけば良かったな」など、
私の中で反省する部分がたくさん見つかり、ADの頃とはまた違う番組制作の難しさを実感しました。
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OA後の作業を終え、2月の終わりに5日間の代休をもらい、私の実家がある兵庫県へ帰省しました。
(…といっても正月にもしっかり帰省しましたが。)
家族や友人から「見たよ」と言ってもらって嬉しかったのですが、
中には「あの部分は○○やわ」「ちょっと○○が気になったで」など、
仲の良い友人からとても勉強になる感想ももらいました。
(3月24日撮影@目黒川)
ラフトに入社して3回目の春。
ベテランディレクターへの花は、開き始めたばかりです。
藤井 裕美
まだまだ「初々しいね」と言われたい年頃。