田舎に行くと見かけるあのパイプは何だ?2015年6月9日
皆さんが旅行や出張で山深い場所へ出かけた時、
山肌に長いパイプを見かけることはありませんか?
これは水力発電所なんです。
水力発電は戦前の富国強兵の時代に大規模な開発が始まりました。
写真の発電所は完成からすでに90年たって今も現役です。
中には100年以上たつものもあります。
古い水力発電所は「生きた産業遺産」なのです。
私は水力発電の将来をテーマにした番組を作っていて、
こうした全国各地の発電所を取材してきました。
水力発電の最大のメリットは燃料がいらないことです。
二酸化炭素も当然出ません。
先人の遺産を活用した様々な事例にふれ、感心することしきりです。
しかし、水力発電が発電全体に占める割合は9~10%にすぎません。
水力発電はエネルギーだけで見ると脇役ですが、洪水を防いだり、
ダム湖が観光地となっていたりと単なるエネルギー源ではない価値を発揮しています。
最近はエネルギー教育の啓蒙役としてマイクロ水力発電所も誕生しています。
これからも水力発電に注目していきたいと思います。
堀範行
もうすぐ50歳。 仕事のテーマは天文関係とノリモノ全般です。
古い車とロードバイクを活用しつつ、環境負荷の少ない暮らしを心がけています。