ドイツロケのテーマ「家族農業」2014年10月2日
ドイツ南西部。フランスの国境近くの村、ブリッチンゲン。
村の峠に案内してくれたイムグレーベン村長が言った。
「あそこに見える山は何と呼ばれているか分かるかい」。
村長の指差す先に2つの連なった山が見える。
「オッパイ山だ」と言って、洒脱な村長は笑った。
ベタな呼び名に、ドイツ人の“堅物”のイメージが少し和らいだ。
その村長が真顔になり、オッパイ山の左、遥か先を指差し、
「あの白い建物は何か分かるかい?」。
遠くフランス側に白い真四角の建物が並ぶ。
フェッセンハイム原発。1977年に稼働したフランスで最も古い原発だ。
ヨーロッパの原発はなぜがワインの産地に多いという。ブリッジンゲンもワインの産地だ。
そして、そんな話の後に必ずといっていいほど同じ質問が続く。
「なぜ日本は原発を再稼働させるのか」「原発を外国に売るのか」と。
また「あなたは、あなたの政府にきちんと責任を持っていますか」と問われることもある。
これらの質問に対し、私は毎回何も答えられずにいます。
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6月17日から26日、私と渡辺ディレクターとカメラの滝澤さんの3人で
農業のロケでドイツとフランスに行きました。
ドイツを渡辺ディレクター、フランスを私が担当しました。
農家を取材する渡辺ディレクター 市長をインタビューする渡辺ディレクター
(どちらも左端が村長)
ドイツロケのテーマ「家族農業」。今年は国連が定める「国際家族農業年」なのです。ご存知でしたか?
ブリッチンゲンはワインで知られるブドウの産地です。
日本では農業への企業参入が盛んに議論されていますが、ここの農家は当然ながら家族経営の農業です。
家族経営を安定させるためには、加工などを含めた「複合経営」が前提となるといいます。
地元農協にはワイナリー(ワイン醸造施設)があり、試飲室は、まるで高級百貨店のワイン売り場のようです。
グリーンツーリズム(農村観光)も盛んで、農家民宿はこんな(↓)具合。
こんな農村が日本にあったら、行ってみたいですね。
【おまけ】
海外ロケで気になるのが日用品のちょっとした違いです。例えばトイレ(日用品?)。
日本では床からニョキっと出ているのが普通ですが、ヨーロッパ…
特にフランスでは壁から突き出ているモノが多いように感じます。
まるで家(壁)の頑丈さをアピールしているようです。
今回出会ったフランスのトイレットペーパー置き。さすがフランス、なんかお洒落です。
加國 徹
始祖鳥のレプリカを買いました。ベルリン標本です。型をとって日本画に仕上げてみました。
で…やっぱり飛べませんね。この羽根じゃ。