『NABショー研修@ラスベガスVol.2』~初めてアメリカへ行く若手社員から見た視点~2017年6月30日
帰りのロサンゼルス空港。
10日間に渡るアメリカ研修の旅を終え、僕は日本に帰ることに喜びを感じていました。
チケットカウンターでは同僚のイリナさんが手際よくチケットを買い、僕に手渡してくれる。
「まだ出発まで時間がありますね。」
外国人とは思えないほど流暢に日本語を話すイリナさん。イリナさんはモルドバというロシアの隣国から来た人で、普段僕たちと一緒に映像ディレクターとして働いています。
イリナさんはアメリカに着いてすぐ、「外国人ばっかりで落ち着きませんね」と言いました。僕からしたらイリナさんもバリバリの外国人なので、どうしたらいいか分からず「そ、そうですね」と曖昧な返事を返してしまいました。でもその後すぐに「あ、ワタシも外国人ですね」と言って、これが外国人ジョークなんだと思いました。
プライベートでも台湾に1回だけという、海外経験のほとんどない僕。
この10日間の日程は、英語が話せない僕に代わって、行く前の手配から道中のやりとりまですべて彼女が引き受けてくれていました。
「イリナさんがいなかったらマジで終わってたな」と思いながら、「帰ったらすき屋の牛丼を食べよう」などと考えている反面、1つの不安がずっと頭のなかで渦巻いていました。
「結局今回の研修で得たものって何だろう…?」
振り返ってみたら毎日機材を見て、全部で英語で行われるセミナーやワークショップを見ていただけで、結局のところ何を学んでどう活かしていくのかと問われたらよく分からない。
「勉強してこい」と僕を出してくれた社長に対して、「みんな英語しゃべってましたね」とか、わけのわからない感想で許してくれないのは明白でした。
だからこの場を借りて、(アピールも込めて!)今回のアメリカ研修で考えたことについて話したいと思います。
僕はこれまでの経験のなかで「機材の選択=技術スタッフの仕事」という意識がありました。撮影するのはカメラマンなのだから、使用する機材も任せておけば何かしら良いものを選んでくれるだろうという考えで、これまでの仕事をしてきたと思います。
しかし今回、色々な機材をこれでもかというくらい見ていると、「こういう機材で撮影したら面白いな」とか「今度これを使ってみよう」と考えている自分がいることに気が付きました。
台本の構成や編集について考えることも大事ですが、自分たちが作っているのはあくまでも映像。どう撮れているかこそが、まず一番重要なのではないかなと思います。そして、機材選択は映像の雰囲気を決める最も重要なことの1つです。ここを見誤ると、大事故になりかねない、まさにクオリティに直結する要素だと思いました。
今回見た機材のなかにはとてもじゃないけど自分では扱えない代物もたくさんあります。しかし「あの機材で撮ったら、きっとこうなるだろうな」と頭の中でイメージすることはできます。そういう確かなイメージをもって制作に臨めば、これまでとは少し違って、しかもより良い映像が作れるようになるかもしれない…!と、思いました。
郡 航(こおり わたる)
4年目、今年28歳