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スタッフ通信

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「立て・・・立て・・・立つんだジョー!」2014年3月5日

 
映像の面白さに魅せられ、この世界に入ってから13年。
作った映像は、15秒程度の短いものから1時間程度のものまで
全部合わせると、もうすぐ100を超えます。

ここ数年間、僕がものづくりのときに大切にしていること、
それは『新しい価値を生み出し、伝わるカタチにする』ということ。

僕の中で「新しい価値を生む」とは、すでに世の中に当たり前にあるものでも、
これまでとは違った角度から光を照らすことで、新しい価値を生む(またはプラスする)ということ。

例えば、ディレクターを担当してきたNHK Eテレの科学バラエティ番組「すイエんサー」での話ですが、
「何も使わずに、手紙を超ピッタリ三等分にしたい」という企画で番組を作ったことがあります。
この企画は、定規などを一切使わずに、手紙をピッタリ三つ折りにする方法をただひたすら考えるという、
テレビ的にはものすご~く地味なテーマでした。

それでもあえてこの企画にしたのは、誰でも手に入れることのできる何てことのない紙1枚を、
これまでとは違った角度から光を照らすだけで、ものすごく楽しめるものにすることができたら、
『見てくれた人達の日常をハッピーにすることができるだろうな!』という思いがあったから。

でも、こういった「新しい価値を生み出す(探し出す)」のはとても大変。
アイデアを出すために、とにかく、考えて、考えて、考えて、、、。
考えてはいるものの、これまでの知識や経験が逆に邪魔をして、まったく出てこないこともしばしば。
無情にも、時間はあっという間に過ぎていきます。
そんなときは、柔らかい脳みそを持つ、若手の力も遠慮なく拝借。
 1
これまで苦楽を共にしてきたすイエんサーの歴代AD(左から竹浪・伊藤・坂下)との打ち合わせ

 
このようにディレクターの仕事は『考える時間』がひたすら長い。
しかし、この『考える時間』こそ、ディレクターが一番力を入れるべき「戦いの場所」だと僕は思うのです!

2
良いアイデアが出ないので、偉大なエンターテイナーMJに
なりきってみる僕(左)と元ADの坂下(右)


この戦いを、ボクシングに例えるならば、アイデアを出さないのは、パンチを出さないのと一緒。
相手に打たれ(撮影がうまくいかず)、リングに沈められます。
どうにか立ち上がって、ようやくパンチ(アイデア)を出せたとしても、
相手(視聴者)に効かなくては(伝わらなくては)意味がありません。

だから、僕は、この勝負に勝つために、何度も何度も倒れ、
そのたびに立ち上がり、ディレクターという仕事を続けてきました。

 
そう、あの矢吹ジョーのように・・・

 
少し大げさに思えるかもしれませんが、ホントにそんな気持ちで、
このディレクターという仕事をやっているのです。(キッパリ)
 3
 良いアイデアが出るように、樋口真嗣監督に才能を注入してもらう僕
 
そうそう、このところ立て続けに「険しい顔をしてどうしたの?」とか、「さっき、すごい顔してましたよ!」
とか言われたのですが、これは矢吹ジョーのように必死に戦っている僕の姿。(地味な戦いですが、、、。)
だから、いつかどこかで、険しい顔している僕を見かけたら「立て・・・立て・・・立つんだジョー!」と
心の中でエールを送って下さいね!
小室 崇
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